■事件簿2007

偽ブランド品、大型グループの摘発!
 運輸会社と配送契約を結んで全国に発送

(平成19年1月  大阪、奈良、兵庫の3府県警合同捜査本部)


平成19年1月25日、大阪、奈良、兵庫の3府県警合同捜査本部は、偽ブランド商品を大量に売りさばいたとして、神戸市北区の運輸会社エリア支店長S(42歳)=懲戒解雇=ら26人を商標法違反容疑で逮捕し、兵庫県芦屋市の日用雑貨品販売会社役員Y(32歳)を指名手配した。捜査本部は、大阪市内や兵庫県西ノ宮市内などの販売拠点19カ所からバッグや財布など偽造品約3万点を押収。

調べによると、被疑者らは共謀し、平成15年10月頃から、オークションを使用してグッチなどの偽ブランド品を出品していた。商品が落札されると、宅配便の販売代金着払いサービスを利用して配送し、代金を受け取っていた。約3年半で、総額約40億円を不正に得ていたとみられる。運輸会社エリア支店長Sは、配送物が偽ブランドと知りながら被疑者Yらグループの架空名義の会社と配送契約を結んで協力し、この契約による手数料は、過去2年間で約1億円以上だったという。

逮捕された被疑者ら26名は、それぞれの拠点で商品をオークションに出品し、箱詰め作業をした後、落札者に架空の個人名で発送していた。偽物ではないかと苦情を言ってきた落札者に対しては、S容疑者が対応を引き受け、社内で問題にならないように隠蔽していたという。

平成19年2月、警察は、商標法違反で指名手配していた販売グループの中心人物とみられる会社役員Y(32)が、逃亡先の中国から帰国したため逮捕した。Yは、オークションへの出品や運送会社との契約を仕切っており、中国へ月1度の割合で渡航していた。中国の製造拠点から定期的に大量の偽ブランド品を日本に仕入れていたとみられる。既に逮捕されている販売業者らは、会社役員Yに雇われたと供述していた。

また、2月後半には、同事件の関係で、大阪市中央区の日用雑貨品販売会社社長A(44)が逮捕された。会社社長Aは会社役員Yと共謀して男ら数人を雇い、インターネットオークションへの出品や荷造りをさせていたとみられる。一連の事件での逮捕者は28人となった。


(捜索場所の様子や、発送に使われていた伝票など)

(グループの組織図)


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