■事件簿2008

携帯サイトで偽ブランド販売
 (平成20年5月  千葉県四街道警察署)


平成20年5月、千葉県四街道警察署は、携帯オークションサイト「ガルオク」を利用してグッチの偽造品を販売したとして、木更津市在住の女性(49)を商標法違反の疑いで逮捕した。自宅からは、グッチ、シャネル、ルイ・ヴィトンなど計165点の偽造品が押収された。

警察の調べによると、女性はネットを通じて、中国の業者から1点につき約4,500円で商品を仕入れ、携帯オークションに出品し、落札者には着払いで送付していた。1ヵ月で約100点を販売し、銀行口座には過去一年間で約2千万円の入金が確認されているという。


結果、千葉地方裁判所は、女性に懲役1年6ヵ月、執行猶予3年の刑を言い渡した。


●大学生がモバオクで偽造品販売
 (平成20年6月  千葉県千葉中央警察署)


平成20年6月、千葉中央警察署は、携帯電話オークションサイト「モバオク」を利用し、ルイ・ヴィトンの偽造品を販売したとして、大学生2名を含む大阪市在住の男女計3名(いずれも韓国籍)を商標法違反の容疑で逮捕した。自宅など捜索場所からは、ルイ・ヴィトンの長財布など71点の偽造品が押収された。

警察の調べによると、平成18年4月頃、当時女性(40)が経営する飲食店に通っていた学生に偽ブランド品の販売を持ちかけたことがきっかけ。主犯格の女性が安く仕入れた商品を、男子学生ら2人が1点2,300円で買い取り、携帯オークションに出品して1点7千円〜1万円の価格で販売し、多いときには月に100件ほど売れていたという。これまでに全国の約2,400人に販売し、総額約1,500万円の利益を得ていた。逮捕された大学生ら2人は、プロバイダ側に出品を削除されても、何度も再出品する方法を見つけ出し、同じ携帯から繰り返し出品を続けていたという。

結果、3名にはそれぞれ罰金刑が下された。


●不正アクセスで偽ブランド品を販売
 (平成20年5月  群馬県太田警察署)


平成20年5月、太田署は、商標法違反と不正アクセス禁止法違反などの疑いで徳島市の男性(35)と大阪府四條畷市の男性(35)を逮捕した。二人は、平成19年1月、群馬県の会社員の男性(37)になりすまし、男性の登録したIDとパスワードを無断で使用して、インターネットのオークションサイトに不正アクセスし、パスワードを変更した。一ヶ月間に100回以上の不正アクセスを行い、オークションサイトを通じて「ブルガリ」や「グッチ」などの偽ブランド品を販売していたという。

二人は、平成20年2月、同様の事件で徳島県警からも逮捕、起訴されていたことが明らかになった。


●ネットオークションで偽ブランド品を販売
 (平成20年10月  山口県岩国警察署)


平成20年5月、岩国署は、偽ブランド品をインターネットオークションで販売したとして商標法違反の疑いで青森市在住の男性(31)を逮捕し、自宅からバッグなど約400点を押収した。男性は、ネットオークションに「グッチ」のバッグを出品し、山口県内の女性に販売したが、落札した女性が「縫製などが雑」などと不審に思い、警察に相談していた。

結果、青森市の男性には、懲役1年6月、執行猶予3年の刑が言い渡された。

また岩国署は同年10月、青森市の男性の仕入れ先として浮上した埼玉県の男性(55)の自宅を捜索。自宅から、グッチやブルガリ等の偽造品約270点を押収し、男性を現行犯逮捕した。結果、男性に懲役8ヵ月の実刑判決が下された。

(捜索時の在庫の管理状況)

●中国人と共謀してネットで偽造品販売の3人を逮捕
 (平成20年4月  警視庁深川警察署)



平成20年4月、警視庁深川警察署は、インターネットオークションで偽ブランドを販売したとして、商標法違反の疑いで、新潟県の男性、東京都の女性、北海道の男性の3名を逮捕し、グッチ、ルイ・ヴィトンなど計971点の偽造品を押収した。警察の調べによると、主犯格は中国人で、中国からネットを通じて共犯者を募り、偽造品の販売を行っていたという。雇い主の中国人が指示を出し、出品、中国からの受け取り及び国内発送、送金など、それぞれの作業を日本国内で分担しており、被疑者らは、互いに面識のないまま協力して販売行為をしていたという。主犯は海外在住のため、逮捕に至っておらず、国内で逮捕された者は全員共犯者として処分を受ける。

結果、新潟県の男性には、懲役2年、執行猶予4年、罰金150万円の刑が下された。

その他の二人については、起訴されたが、まだ処分結果は確定していない。


●ボッテガ・ヴェネタの偽造品など携帯オークションで販売
 (平成20年10月  京都府警本部生活経済課、南丹警察署、亀岡警察署)


平成20年10月、京都府警生活経済課と南丹警察署、亀岡警察署は、携帯電話のネットオークションに財布などを出品していたとして、商標法違反の疑いで、奈良県大和高田市の男性(46)と奈良県香芝市の女性(36)の二人を現行犯逮捕した。自宅から、ボッテガ・ヴェネタやグッチなどの偽造品約130点を押収した。男性が商品を手配し、女性がガルオクで複数のIDを使用して販売していたという。

(押収された偽造品と捜索現場の様子)

●偽ブランドの腕時計、部品など約3千点を押収
 (平成20年4月  山梨県甲府警察署)


山梨県甲府警察署は、偽ブランドの腕時計を販売、所持していたとして、山梨県甲府市在住の男性(44)女性(36)、無職男性(50)の3名を逮捕した。男性(44)は、税関で何度も止められていたため、平成19年6月に東京税関により、関税法違反の疑いで捜索を受けた。その後、商標法違反被疑で山梨の警察に移管された。

男性(44)の自宅兼事務所からは、ロレックス、ブルガリ、パネライなど腕時計やその部品など、約3千点が押収された。2001年頃から、マニラ市内の市場で買付をしては、国内のネットオークションで販売し、約6千万円を稼いでいたという。

女性(36)は略式裁判で、罰金20万円の刑が下された。無職男性は、不起訴。

男性(44)については、平成20年7月懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した。

(押収された偽造パーツ)

(捜索現場の様子)

●偽ブランド品、トラック3台分の大量押収
 (平成20年6月  京都府舞鶴警察署)


平成20年6月、京都府警および舞鶴警察署などは、ルイ・ヴィトンやグッチなどの偽ブランド品を販売目的で所持していたとして、大阪市の雑貨販売店経営の韓国籍の女性(55)と従業員の男性(35)を商標法違反の疑いで現行犯逮捕し、大阪市浪速区の事務所から約20ブランドの偽造品約25、000点を押収した。舞鶴署が、風営法適正化法違反容疑で舞鶴市の男性を逮捕、捜索したところ、偽ブランド品が見つかり、大阪の店が浮上したという。偽造品は、海外から仕入れ、被疑者から購入した業者らが、京都や大阪などで販売していたという。押収品は、トラック3台分に達したとのこと。

結果、韓国籍の女性に、懲役2年6ヵ月、罰金300万円、追徴金9,689,502円、男性に、懲役2年6ヵ月、執行猶予5年、罰金100万円、追徴金9,689,502円の刑が確定した。

(押収された偽造品の一部)

●エルメスの偽ブランド販売で、14ヵ所を捜索、加工機械なども発見
 (平成20年2月  愛媛県警察本部、松山東警察署など合同捜査本部)


平成20年2月、インターネットオークションを利用して、エルメスなどの偽造品を販売していたとして、愛媛県警と松山東署などの合同捜査本部は、輸入販売会社社長(43)ら3人を商標法違反の疑いで逮捕した。また関係箇所14ヵ所を捜索し、エルメスやルイ・ヴィトンのバッグなど約1、600点を押収。エルメスのタグを偽造する機械やミシンなども見つかった。警察は、県内で加工業務を行っていたとして、捜査をすすめた。3人は、韓国など海外から商品を仕入れ、真正品の1〜3割の価格で販売しており、購入者は全国に約1万3千400人、販売総額は1億5千万円にのぼるとみられている。

結果、会社社長(43)と無職の男性(45)の2人にそれぞれ、懲役3年、執行猶予4年、罰金300万円、無職の男性(51)に懲役2年、執行猶予4年、罰金200万円が確定した。


●偽ブランド販売の暴力団組織を摘発
 
(平成20年11月  静岡県島田警察署)


平成20年11月、島田警察署は、インターネットでバッグなどの偽ブランド商品を販売したとして、商標法違反の疑いで、指定暴力団山口組系の幹部男性(47)と飲食店員の女性(37)を逮捕した。約3千点の偽造品を全国に販売し、約2千500万円を売り上げ、その一部が組織の資金源になっていたとみられる。また、暴力団と中国の業者が結託して偽ブランド品を販売していたとみて調べを進めている。

被疑者らは、中国で日本語の偽ブランド品販売サイトを開設し、中国から「ブランド商品、格安販売」などのタイトルで数十万通もの大量のスパムメールを日本国内に送信し、商品購入を促していた。受け取ったメールに添付されたホームページアドレスを開くと、偽物の販売サイトが現れ、商品が購入できる仕組み。注文が入ると、指定の口座に振込するよう指示し、入金が確認されると中国から商品を個別に国際郵便で配送していたという。逮捕された二人は、口座から自分たちの取り分を差し引き、残りを中国に送金していた。

警察は、偽ブランド品の代金振込先に使われたインターネットバンクの口座を開設したとして12月に詐欺容疑で塗装工の男を逮捕し、その他人名義の口座を振込先に使用したとして、指定暴力団山口組系の幹部男性(47)を組織犯罪処罰法違反の疑いで再逮捕した。


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