■事件簿2011

ネットオークションで衣料品販売
 (平成23年2月 警視庁原宿警察署)


警視庁原宿警察署は、ネットオークションでフレッドペリーやビームスの偽造品などを販売したとして、広島県府中市に在住の男性(35歳)の自宅などを商標法違反の疑いで捜索し、商品約90点を押収した。メーカーが偽造品販売を確認し、警察へ相談していた。警察の調べでは、5年間で約3千万円の利益があったという。
結果、被疑者の男性には、罰金80万円の刑が確定した。

(押収された商品の一部)


●偽ブランド販売 
 (平成22年10月、平成23年1月  警視庁浅草警察署)

警視庁浅草警察署は、2010年10月、暴力団に対する事件捜査の関係で、偽造品を大量に所持していたとして、東京都台東区内の店舗を捜索し、店舗より偽造品約5千点を押収、男性2名を現行犯逮捕した。また主犯格として浮上した76歳の男性は、隙をみて逃走したため、指名手配されたが、12月に逮捕された。男性は、指定暴力団の関係者で、東日本における偽ブランド販売の元締め的存在だったという。

(押収された商品の一例)

その後の調べで、2011年1月に仕入れ先である大阪府生野区の店舗を捜索し、韓国籍の男性(50歳)を逮捕、偽造品約3千点を押収した。

結果、最初に現行犯逮捕された男性のうち1名に、懲役2年6月、執行猶予4年の刑が確定した。その他の処分結果はまだ出ていない。

(現場の様子、押収された商品)


偽ブランドアクセサリーで1億7千万円以上の売り上げ
 (平成23年6月  警視庁荒川警察署)


警視庁荒川警察署は、ティファニーの偽造品を販売目的で所持していたとして、千葉県佐倉市在住の中国籍のジュエリー輸入販売会社社長の男性(29歳)を逮捕した。中国から1個あたり千円で仕入れ、ネットオークションで3, 500円で販売していた。2007年4月以降の売り上げは、1億7千万円以上にのぼるとのこと。震災後は、ホームページ上で「緊急特別企画」と銘打って、「売り上げの5%を東日本大震災の復興に充てる」と宣伝していたにも関わらず、実際には寄付していなかったことも判明している。

結果、法人に対し罰金20万円、個人に対し罰金20万円の刑が確定した。


●ティファニーの偽造品販売
 
(平成23年6月  警視庁小松川警察署)


警視庁小松川警察署は、ネットオークションでティファニーの偽造品を販売したとして、東京都品川区在住の中国籍の男女2名(32歳、28歳)を商標法違反の疑いで現行犯逮捕し、ティファニーのアクセサリー1, 127点を押収した。2009年9月頃から販売を始め、2千万円以上の売り上げがあったと見られる。

結果、主犯の人物に懲役2年6月、執行猶予3年、罰金200万円の刑が下された。残り1名は、起訴猶予となった。

(押収された商品の例)


●エルメスの詐欺事件が全国で横行
 
(平成23年7月、平成24年1月
奈良県橿原警察署、石川県金沢東警察署合同捜査)


2011年7月、奈良・石川両県警合同捜査本部は、「エルメス」の偽バッグを全国の質屋などに持ち込み、売りつけたとして、商標法違反及び、詐欺罪などの疑いで、大阪市西区の中国籍男性(31歳)ら男女グループ7名を逮捕した。また2012年1月には、仕入れ先の大阪・鶴橋の韓国人業者2名も逮捕し、店舗兼倉庫から偽造品約500点を押収した。

警察の調べによると、詐欺グループのメンバーらは、高速道路利用料金が一律1, 000円だった休日を利用し、全国の古物買い取り店などに「エルメス」の偽造品を持ち込んでいたという。燃費のよいハイブリッド車を運転して移動経費を節約。偽造した百貨店の領収書をみせて「新品で買ったときには87万円くらいした」、「日本限定のバッグ」などと言葉巧みに店側を信用させるなど、買い取りに慎重な店側の盲点を突いた新たな手法で各地の買い取り店から不正に現金を取得していた。また本人確認の身分証には、他人名義の健康保険証を使っていたという。業者から偽造品を8〜14万円で仕入れ、店側に27〜45万円で買い取らせていた。

バッグを買い取った奈良県橿原市内のブランド品取扱店が、ネットオークションに出品したところ、偽物と指摘を受けたことから事件が発覚した。警察は、全国の9府県の13店舗について立件しているが、実際には、約200店舗が被害に遭ったとみられている。

被疑者らは一部容疑を否認しており、現在裁判中で処分結果はまだ出ていない。

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