■事件簿2013

●税関と警察の合同捜査で、偽造品1万点を押収
 (平成25年3月 神奈川県横浜水上警察署と横浜税関)


2013年3月、神奈川県横浜水上警察署と横浜税関は、偽ブランド品を販売していたとして大阪市在住の韓国籍の男性(61歳)の自宅及び販売拠点のマンションを捜索し、商標法違反の容疑で現行犯逮捕した。捜索場所からは、ルイ・ヴィトンやグッチ、ドルチェ・アンド・ガッバーナなど10,303点の偽造品を押収した。

警察は、横浜税関からの情報提供を受けて捜査を開始。2009年頃から韓国人の知人に誘われて販売をはじめ、月平均約100万円を売り上げていたという。




●偽造品をカタログ販売
 (平成25年5月 石川県白山警察署)


2013年5月、白山警察署と石川県警生活環境課は、偽ブランド品を販売したとして、商標法違反の疑いで大阪府豊中市の男性(42歳)と女性(34歳)の2名を逮捕し、捜索した複数の関係箇所からルイ・ヴィトンやグッチなど560点以上の偽造品を押収した。

購入した石川県在住の男性が、届いた商品をみて不審に思い、警察に相談したことから事件が発覚。被疑者らは5〜6年前から販売をはじめており、カタログを配布し、電子メール等で注文を受けていたとのこと。ネットオークションやネットショップでのオンライン販売が主流になる中、あえて従来通りのアプローチをすることで、ネットを利用しない顧客層をつかみ、数千万円もの売り上げをあげていたとみられる。

結果、男性に、懲役3年執行猶予4年、罰金300万円、女性に、懲役2年4ヶ月、執行猶予4年、罰金200万円の刑が確定した。



●バーバリーやアルマーニの偽腕時計をオークション販売
 (平成25年4月 広島県安佐南警察署)


2013年4月広島県安佐南警察署は、インターネットオークションを使用してバーバリーの偽腕時計を販売したとして、広島市在住の会社役員男性(44歳)と東広島市在住の女性従業員(41歳)の居宅、その他関連場所を捜索し、バーバリーやアルマーニ約36個の腕時計を押収した。

バーバリー社が「通告をしても販売を続けている」として警察に取り締まりの依頼をしたことが事件の端緒となった。女性が自宅に商品を保管し、男性が商品を発送していたとのことで、被疑者2人は商標法違反の疑いで6月に逮捕された。過去2年の間に一千万円以上を売り上げていたとみられる。

結果、男性は略式起訴され、罰金50万円の刑が確定し、女性は起訴猶予となった。



●ネットオークションでラルフローレンやテイラーメイドの偽造品を販売
 (平成25年5月 栃木県宇都宮警察署)


2013年5月 栃木県宇都宮警察署は、インターネットオークションでエルメスの偽造品を販売したとして、栃木県宇都宮市在住の男性(44歳)及び中国籍の元妻(50歳)を商標法違反の疑いで現行犯逮捕した。サイバー犯罪対策室の捜査員がインターネット上でブランド品が安価で販売されているのを発見し、落札者に商品の提出を求めたところ、偽造品と判明したため事件化された。

被疑者らは、一軒家を居宅及び倉庫兼会社事務所として構え、中国人従業員数名を各部屋に住まわせていた。会社組織として、それぞれの従業員が複数のオークションIDを分担し、出品・発送・在庫管理等していた。平成23年11月頃から販売をはじめ、今年の5月までに約4,000件の取引を行い、約1,400万円を売り上げていたという。

捜索場所からは、ポロ・ラルフローレン、テーラーメイド、アルマーニ、ポール・スミス、ラコステなど、合計1,259点の商品が押収された。その他にも、押収に至らなかった疑わしいブランド品が多数確認されたが、現場に残された商品についても、「偽造品の可能性が高いため再販しない」旨の誓約書を警察が求め、被疑者もこれに応じたとのこと。

結果、社長の男性に対し、懲役2年、執行猶予4年、罰金100万円、元妻の中国人女性に対し、懲役1年6月、執行猶予3年が言い渡された。

(捜索時の状況)



●エルメスの偽ジーンズをネット販売
 (平成25年3月 警視庁八王子警察署)


警視庁八王子警察署は、インターネットオークションでエルメスの偽造品を販売していたとして、商標法違反の疑いで大阪市在住の中国籍の男性(31歳)を現行犯逮捕した。メーカーより試し買い調査の依頼があり、偽造品と判明したため警察へ通報したことから事件化された。

警察は、主にエルメス、その他アルマーニ、バーバリー、ポロラルフローレン、ドルチェ&ガッバーナ、アバクロンビーアンドフィッチ、グッチ、フェンディなど合計300点の偽造品を押収した。
2012年5月頃から販売をはじめ、中国から1,200円で仕入れたエルメスのジーパンを4万2千円で落札させるなど、これまでに120人以上と取引して、約190万円の利益を得ていたとのこと。

結果、男性に懲役1年6ヶ月、執行猶予3年、罰金100万円の刑が確定した。


(捜索時の状況)



●偽造品販売業者、税関と警察が相次いで摘発
 (平成25年7月 神戸税関、大阪税関、千葉県柏警察署)


トリーバーチやUGGの偽造品を中国からEMSなどで密輸入したとして、神戸税関は、7月に姫路市の会社社長2人を関税法違反の疑いで神戸地方検察庁に告発した。告発されたのは、姫路市のインターネット通信販売会社「M商会」の社長(31歳)と服飾雑貨販売会社「W」の社長(33歳)。2人は共謀し、2012年12月に中国や香港、シンガポールから69回にわたってトリーバーチのバッグ、UGGのブーツなどの偽ブランド品685点の密輸を図り、さらに52点を実際に輸入したという。税関の輸入検査で発覚し、その後両者の会社倉庫や自宅から偽ブランド品3,227点を押収した。税関の調べによると、「偽ブランド品は、仕入れ値の倍の価格で通信販売していた」とのこと。

さらに、千葉県柏警察署の方でも、別に購入者からの情報提供により同被疑者らに対する調べを進めていたことから、2013年7月3日に家宅捜索を行い、アバクロンビー&フィッチ313点、ホリスター56点、トリーバーチ19点の偽造品を押収した。

2013年10月末頃、税関が関税法違反の取り調べを終えた後、11月14日、柏署が商標法違反の疑いで2名を逮捕した。2人は、平成22年4月〜5月に約1億5千万円を売り上げていたとのこと。


(警察が押収した商品の一部)



●スマートフォンケースの事例


ここ数年のスマートフォンの普及により、ブランドメーカーが製造していないタイプやデザインの偽スマートフォンケースが横行し、いずれもスマートフォンの新作の発表と同時にいち早く販売されているため、各メーカーも商標登録の確認や、権利侵害への対策強化を急いでいる。当法人としてもインターネット上では、主なプロバイダに対し、侵害品の削除依頼や退店依頼をするなどし、悪質なものについては、刑事事件による取り締まりも増加している。


2013年1月 愛知県警察本部

愛知県警は、一宮市のクリーニング店で偽ブランド品を販売目的で所持していたとして商標法違反の疑いで、江南市の会社役員男性(42歳)、名古屋市の会社員男性(50歳)、一宮市の店長の女性(51歳)の3人を逮捕した。男性ら2人が客寄せのため店長の女性に販売委託をしており、女性店長が店頭のショーケースに古着などと一緒にルイ・ヴィトンやグッチ、バーバリーなど偽ブランドの財布や携帯ケースなど15点を陳列していた。結果、女性には起訴猶予処分、販売を委託した会社役員男性と会社員男性には、略式起訴によりそれぞれ罰金20万円の支払いが命じられている。



2013年1月 警視庁日野警察署

警視庁日野署は、ルイ・ヴィトンのスマートフォンケースの偽造品2点を販売目的で所持していたとして、岡山県倉敷市の会社員男性(28歳)を商標法違反の疑いで現行犯逮捕した。インターネットオークションで偽のスマートフォン用ケースを販売し、過去2年に240万円の売り上げがあったという。中国からネットで1個1,000円にて仕入れたものを約5,000円で販売していた。



2013年5月 愛知県生活経済課

愛知県生活経済課と名古屋・守山署は、ルイ・ヴィトンのスマートフォンケースの偽造品を販売した疑いで,東京都葛飾区のトラック用品販売会社会長の男性(76歳)を逮捕した。4月にさいたま市や愛知県岡崎市、鈴鹿市などの系列8店舗において、ルイ・ヴィトンのスマートフォンケース223個を商品棚に陳列し、商標権の侵害をした疑い。各店舗でシャネルやディオール他ブランドに似たロゴが入ったキーホルダーなど約2,500点を押収した。



2013年5月 警視庁小岩警察署

警視庁小岩警察署は、静岡県沼津市の会社役員男性(57歳)を商標法違反の疑いで逮捕した。ネットオークションにて、ルイ・ヴィトンの携帯ケースの偽物を販売していたと、ブランドから警察に情報提供があったことから事件が発覚。

コーチ、グッチ、ルイ・ヴィトン、アディダスなどのスマートフォンケースを計136点押収。被疑者はユーザーIDを3つぐらい持っていたが、2012年8月頃には停止されていたとのこと。


2013年6月 警視庁青梅警察署

警視庁青梅署は、ルイ・ヴィトンの携帯ケース9点を販売目的で所持したとして商標法違反の疑いで江戸川区在住の中国籍の男性(24歳)を現行犯逮捕、他にも携帯ケース約40個がみつかった



2013年8月 
秋田県中央警察署

秋田県中央警察署は、携帯フリーマーケットサイトのショッピーズにて偽造品を販売したとして、大阪府寝屋川市の倉庫及び事務所を捜索し、ブルガリ、エルメス、ディオール、フェンディ、グッチなどの偽造品(スマートフォンケースも含む)138点を押収した。また販売に関わっていた大阪府交野市の男性(39歳)と、同じく交野市の男性(36歳)の2名を逮捕した。

警察のサイバーパトロールにより偽造品が出品されているのを発見し、捜査を開始した。警察の調べでは、被疑者らは2010年9月から2012年5月にかけインターネットのフリーマーケットサイトで商品を販売し、複数の銀行口座に3,000万円以上の代金を振り込ませていたとのことである。結果、男性(36歳)に罰金300万円と懲役2年6か月執行猶予4年、男性(36歳)に罰金50万円と懲役1年6ヶ月執行猶予3年が言い渡された。


2013年9月 愛知県半田警察署

ルイ・ヴィトンのスマートフォンケースの偽造品を販売目的で所持したとして、愛知県警半田署が、愛知県清須市の自営業女性(50歳)を現行犯逮捕、偽造品と思われるスマートフォンケースなど4,200点以上を押収した。



2013年9月 大阪府南警察署

大阪府南署は、ルイ・ヴィトンの偽スマートフォンのケースを売ろうとしたとして、大阪市中央区のネット通販会社T社長(45歳)と関連のネット通販会社社長(45歳)を商標法違反の容疑で逮捕した。大東市内の倉庫にルイ・ヴィトンのケース5点他、偽ブランドのスマートフォンケース58点を押収。パロディーと称して、「LOUIS VUITTON」からUを一文字除いた「LOIS VUITTON」と表記し2,990円で販売するなどしていたという。

尚、当法人でも、2012年10月頃にSTUSSY社よりプロバイダAにて販売していた同社のショップに偽造品のスマートフォンケースが販売されているとの相談があり、パロディー商品だったため不正競争防止法に基づき退店を依頼した経緯があるが、同社はプロバイダB社にも店舗登録して、販売を継続していたとみられる。



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